AI面接とは?仕組み・「対話型」と「録画型」の違い・導入までをやさしく解説
公開: 2026/07/17 / 更新: 2026/09/17 執筆: QRUU 編集部
AI面接とは、AIが面接官の役割を担い、候補者と質疑応答をしながら選考を進める仕組みです。方式は大きく「対話型」と「録画型」の2つです。日程を調整しなくても24時間いつでも実施できるため、一次面接を効率化したい企業や、応募者を取りこぼしたくない企業で導入が進んでいます。
AI面接とは何か
AI面接では、人間の面接官の代わりにAIが候補者へ質問し、回答を評価します。候補者はPCやスマートフォンのブラウザからアクセスし、都合のよい時間に受けます。企業は、日程の調整、面接の実施、評価の記録にかけていた作業を自動化できます。
主に一次面接(スクリーニング)で使われます。応募者全員に同じ観点で質問できるため、面接官によって評価がばらつくのを抑えられます。合否は人が決め、AIはその判断材料になる記録と評価の下書きを用意します。
「対話型」と「録画型」の違い
どちらの方式を選ぶかで、候補者の受け止め方と、面接で分かることが変わります。
| 観点 | 録画型 | 対話型 |
|---|---|---|
| 質問の出し方 | あらかじめ決めた質問を順に表示し、候補者が録画して提出する | AIが回答を聞き取り、内容に応じてその場で次の質問を組み立てる |
| 深掘り(追加の質問) | できない | できる(「その工夫はどんなきっかけで始めたのですか?」のように、答えの先を聞ける) |
| 分かること | 話し方・伝え方・受け答えの印象 | 話し方に加えて、話した内容の具体性と一貫性 |
| 候補者の受け止め | カメラに向かって一方的に話すため、緊張すると感じる人がいる | 会話の形になるため答えやすい一方、所要時間は長くなりやすい |
| 向いている場面 | 応募が非常に多く、まず話す様子だけを確認したい | 一次面接の判断材料として、経験の中身まで聞きたい |
面接当日、候補者側では何が起きるか
対話型の場合、候補者はおおよそ次の流れで面接を受けます。
- 案内メールやメッセージのリンクを開く(多くのツールはアプリ登録不要)
- カメラとマイクの使用を許可し、音声が届いているかを確認する
- AI面接官が質問し、候補者が声で答える
- 回答の内容に応じて、AIがその場で追加の質問をする
- 面接が終わると、企業側の管理画面に録画・文字起こし・評価が届く
候補者がつまずきやすいのは、カメラとマイクの使用を許可する場面です。案内文に「スマートフォンのブラウザから受けられること」「静かな場所で20〜30分ほど確保してほしいこと」「通信環境の目安」を書いておくと、候補者からの問い合わせを減らせます。
AIはどうやって評価するのか
多くのツールでは、回答の文字起こしをもとに、あらかじめ設定した評価軸(例:論理的思考、経験の具体性、自社との相性)に沿って、AIが点数と所見を作ります。評価の根拠となる発言が引用つきで残るツールであれば、「なぜこの評価なのか」を人があとから検証できます。
AIの評価は、あくまで一次選考の判断材料のひとつです。顔立ちや年齢、性別のように回答の中身と関係のない情報は評価に使わず、最終的な判断は人が行います。厚生労働省も、公正な採用選考の基本として「本人のもつ適性・能力以外のことを採用基準にしない」ことを挙げています。
評価の結果は、評価軸の書き方によっても大きく変わります。「明るさ」「人柄の良さ」「熱意」のように、会話の記録からは確かめようのない言葉を評価軸にすると、AIはそれに沿って評価を作ろうとして、根拠のない所見を書いてしまいます。「質問に対して結論から答えているか」「具体的な行動を挙げて説明できているか」のように、記録から確認できる行動の形に直すと、評価が安定し、あとから人が検証できるようになります。行動の形に直す手順は、記入例とあわせて面接の評価基準の作り方で解説しています。質問と評価基準を先に決め、全員に同じ条件で行う面接の進め方は、構造化面接とはにまとめています。
よくある誤解
- 誤解1「AIが合否を決める」:合否を決めるのは人です。AIが用意するのは、記録と評価の下書きという判断材料です
- 誤解2「表情や声色で人柄が分かる」:表情や声色は、回答の中身と関係がありません。公平に選考するため、評価には使わないようにします。確かめられるのは、話した内容の具体性と一貫性です
- 誤解3「どのAI面接ツールでも替え玉やなりすましを防げる」:対策があるかどうかは、ツールによって違います(QRUUは本人確認を行っていません)。本人かどうかを確かめる必要があるなら、二次面接以降で人が確認します
- 誤解4「導入すればすぐ使える」:何を聞き、何を良しとするかを先に決めておく必要があります。決めないまま始めると、評価が自社の基準と合いません
導入までの一般的な流れ
- ステップ1:資料請求・相談。自社の採用課題(応募数・選考体制)を伝える
- ステップ2:トライアル。実際の画面で質問設定と面接体験を確認する
- ステップ3:質問・評価軸の設計。職種ごとの質問テンプレートを用意する
- ステップ4:運用開始。応募者に面接リンクを案内し、評価レポートを見て二次面接へ進む人を決める
導入期間はツールや準備状況によりますが、QRUUの場合はご相談から運用開始まで最短2週間ほどが目安です。ツールを比べる際の観点はAI面接ツールの選び方で、料金の考え方はAI面接の費用でくわしく説明しています。
候補者への配慮も忘れずに
AI面接は、候補者にとってまだなじみの薄い選考です。「なぜAI面接を行うのか」「録画データはどう扱われるのか」を案内文で伝え、都合のよい時間に受けられることも書き添えます。説明がないと、候補者の不安が残り、辞退の理由になることもあります。なお、応募者の録画・文字起こし・評価はいずれも個人情報にあたります。取得の際に利用目的を伝えることなど、事業者が守るべき取り扱いは個人情報保護法のガイドライン(通則編)にまとまっています。
案内文には、次のことも書いておきます。
- 一次選考であること、二次以降は社員が対応することを明記する(「ずっとAIが相手」という誤解を防ぐ)
- 所要時間の目安と、受けられる時間帯に制限がないこと
- スマートフォンで受けられること、アプリの登録が不要なこと
- 録画の保存期間と、どこに保管されるか
- 通信トラブルなどで途中で切れた場合の連絡先
途中で切れたときの連絡先が書かれていないと、候補者は受け直す方法が分からず、そのまま辞退してしまうことがあります。
導入前に決めておくこと
ツールを選ぶ前に社内で決めておくと、比較検討も導入もはやく進みます。
- どの職種から始めるか(応募が多く、聞くことが定型化しやすい職種が向いています)
- 選考フローのどこに置くか(書類選考の次に置くのが基本形です)
- 何を聞くか(職種ごとに3〜5問。テンプレートがあるツールなら、それを土台に調整します)
- 何を良しとするか(評価軸。記録から確認できる行動の形で書きます)
- 通過の基準を誰が決めるか、最終判断を誰がするか
このうち評価軸は、自社の採用要件にあたります。設計の支援は受けられますが、何を良しとするかは社内で言語化しておくと、面接官によって評価がばらつく問題も小さくなります。
よくある質問
- AI面接はどんな企業に向いていますか?
- 応募対応に手が回っていない企業、面接官によって評価がばらつきやすい企業、夜間・休日の応募者を取りこぼしたくない企業に向いています。会社の規模は問いません。一次面接に多くの時間を取られている企業ほど、効果が出やすくなります。
- AI面接の結果だけで合否を決めてよいですか?
- おすすめしません。AIの評価は一次選考の判断材料として使い、合否は評価レポートと録画を確認したうえで人が決めてください。
- 候補者に嫌がられませんか?
- 受け止め方は候補者によって違います。好きな時間に受けられて、人と向き合う面接より緊張しにくいと感じる候補者もいます。事前に、AI面接を行う理由と録画データの扱いを案内しておきます。案内文に「一次選考のみAI面接で、二次以降は社員が対応します」と書いておくと、ずっとAIが相手なのかという不安を和らげられることがあります。
- 候補者がほとんど話さずに終わってしまった場合はどうなりますか?
- 通信トラブルや操作の戸惑いで、ほとんど話せずに終わる候補者は一定数出ます。この場合、回答が乏しいので本来は評価できません。ツールを選ぶ際は、そうしたときに「評価できない」と示してくれるかを確認してください。わずかな回答からそれらしい点数を出す仕組みだと、実態と違う評価をもとに判断してしまいます。あわせて、受け直しの案内を用意しておくと、候補者を取りこぼさずに済みます。
- 選考フローのどこに置くのが一般的ですか?
- 書類選考の次、一次面接の位置が基本形です。書類通過の連絡と同時にAI面接の案内を送ると、候補者の志望度が高いうちに選考を進められます。応募数が非常に多い場合は、書類選考の前に置いて全員に受けてもらう運用もあります。
参考にした一次情報
- 公正な採用選考の基本厚生労働省(公正採用選考特設サイト)
- 採用選考の具体的な方法厚生労働省(公正採用選考特設サイト)
- 個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)個人情報保護委員会
本記事は上記の公的な情報をもとに、採用担当者向けにかみくだいて解説しています。制度の詳細や最新の内容は、必ず出典元をご確認ください。 執筆方針は編集方針をご覧ください。