面接の評価基準の作り方:「人柄」「熱意」を行動で書く

公開: 2026/08/25 / 更新: 2026/09/17 執筆: QRUU 編集部

面接の評価基準を作るときは、評価項目を具体的な行動で書きます。「コミュニケーション力」「主体性」のような言葉だけで項目を作ると、面接官によって思い浮かべるものがずれやすくなります。専用のツールがなくても、紙に書き出すところから始められます。

評価基準がない面接で起きること

評価基準を決めずに面接をすると、面接のあとに残るのは「コミュニケーション力が高い」「人柄が良さそう」といった総評だけになりがちです。これでは、一次面接と二次面接で評価が分かれたときに、「高い」と書いた理由が残っていないので、どちらの評価が妥当なのかを確かめる材料がありません。

評価基準を先に決め、項目ごとに点数と根拠を残しておけば、何を見てそう付けたのかを面接官どうしで並べて比べられます。面接の進め方全体は構造化面接とはで、面接官の思い込みの種類と防ぎ方は面接官が陥りやすい6つの認知バイアスで解説しています。

性格や価値観は、行動を通して評価する

知識や経験、話し方は、面接の会話に表れます。一方で、性格や価値観、仕事への姿勢は、採用で重視されることが多いものの、会話に直接は表れません。

こうしたものを「人柄」「熱意」という言葉のまま評価しようとすると、何を見て判断するかが面接官に任され、印象に左右されやすくなります。面接では、性格や価値観がうかがえる行動に注目します。「困っている同僚に自分から声をかけた」「客からの指摘を翌日の段取りに反映した」のような行動は、具体的に尋ねれば本人の話として聞き取れ、記録にも残せます。そこで評価基準は、知りたいものを行動に置き換えてから書きます。

作り方の3ステップ

  • ステップ1:募集する仕事で活躍している人の行動を書き出す。いま現場で活躍している人を思い浮かべ、「何をしているか」を動詞で挙げます。「明るい」ではなく「来店客に自分から声をかけている」のように書きます
  • ステップ2:行動を3〜5つの評価項目にまとめる。挙げた行動を近いものどうしでまとめ、項目の名前を付けます。名前は抽象的な言葉でも構いませんが、その下に元の行動を書き添えておくと、面接官どうしで同じものを見やすくなります
  • ステップ3:項目ごとに段階の目安を書く。「基準に届かない」「合格の目安」「文句なし」の3段階から書き始めます。どの段階も、行動で書きます

順番が大切です。先に「コミュニケーション力・主体性・協調性」と項目名を決めると、どの求人でも同じ項目が並びやすく、その求人で見るべき行動があいまいなまま面接に入ることがあります。行動を先に挙げると、項目の中身は求人ごとに違ってきます。

記入例:同じ「コミュニケーション力」でも、職種で中身が違う

「コミュニケーション力」を行動で書いた例(職種別)
職種行動
営業職相手の質問に結論から答えている。専門用語を相手に合わせて言い換えている
接客・販売注文や指摘を復唱して確かめている。忙しい時間帯でも依頼を後回しにせず一言返している
エンジニア分からない点を放置せず、確認すべき相手を特定して聞いている。込み入った内容を順序立てて説明している

項目名は共通でも構いませんが、書き添える行動は職種によって変わるので、求人ごとに考えます。

段階の目安も、営業職の「わかりやすく説明する力」なら、「基準に届かない」は「質問と違う話が続き、聞き直しても要点が出てこない」、「合格の目安」は「結論から答え、理由をひとつ添えて説明できる」、「文句なし」は「相手の理解度に合わせて言い換えながら、込み入った内容も説明できる」のように書きます。3段階が埋まれば、面接官が違っても同じ基準で点数を付けられるので、採点がそろいやすくなります。

つまずきやすい点と直し方

評価基準づくりでつまずきやすい点
つまずき何が起きるか直し方
評価項目が多すぎる1項目あたりに使える時間が短くなり、確認が浅くなります3〜5つに絞ります。この面接では確かめないと決めた項目は、次の面接に任せます
抽象的な言葉のまま使う面接官ごとに測るものがずれやすく、付けた理由もあとから確かめにくくなります各項目に、具体的な行動をひとつ以上書き添えます
段階の目安がない同じ行動を見ても、人によって3点にも4点にもなりますまず「基準に届かない」「合格の目安」「文句なし」の3段階だけ書きます
本人の適性・能力と関係ない項目を入れる家族構成や住宅の状況などを評価に使うと、公正な採用選考の考え方に反します評価項目は職務に必要な適性・能力に限ります

厚生労働省は、採用選考を応募者の適性と能力にもとづいて行うことを基本として示しています。評価基準を文書にしておくと、適性や能力と関係のない項目が入っていないかを、面接の前に見直せます。

作った基準を、採点のときに使う

評価基準は、作ったあとも使われ続けるようにしておく必要があります。丁寧に用意した基準表でも、共有フォルダに置かれたまま、時間がたつと面接で開かれなくなることがあります。採点のときは、基準を手元に置いておきます。

QRUUの場合、人が行う面接では、求人の選考段階ごとに評価項目(画面では「評価軸」)と段階の目安を設定できます。評価を入力するとき、目安を書いておいた点数を押すと、その内容が表示されます。最低点か最高点を付けたときは、根拠となる行動・発言の記入が必須です。同じ選考段階で面接官どうしの評価が分かれたときは、点数と根拠を横並びの表で見比べられます。

QRUUのAI面接でも、評価項目に段階の目安を書いておくと、AIがそれに照らして採点し、根拠となる応募者の発言を引用つきで残します。ツール選びの観点はAI面接ツールの選び方にまとめています。

よくある質問

評価項目はいくつくらいが適切ですか?
1回の面接につき3〜5つをおすすめします。面接時間は限られているので、項目が多いほど1項目あたりの確認が浅くなります。6つを超えるようなら、この面接で確かめる項目と、次の面接に任せる項目に分けてください。
「カルチャーフィット」はどう評価基準にすればよいですか?
自社の価値観を、行動に置き換えてから項目にします。たとえば「挑戦を大切にする」が価値観なら、「うまくいかなかった経験を、自分の判断まで含めて具体的に話せる」のように、会話から確認できる形に直します。価値観の言葉のまま項目にすると、「自社に合うか」を、面接官が自分と似ているかどうかで判断してしまうことがあります。
段階の目安は何段階まで書き込めばよいですか?
まずは「基準に届かない」「合格の目安」「文句なし」の3つを書きます。すべての段階を最初から埋めようとすると作業が大変になるので、その間の段階は、運用しながら、判断に迷った例をもとに書き足していきます。
選考の途中で評価基準を変えてもよいですか?
同じ求人の選考が進んでいる途中で変えるのは、避けてください。変更の前と後で、応募者を同じ基準で比べられなくなります。見直しは、その求人の選考が一段落してから行います。途中で変更した場合は、その日付を記録しておくと、あとで評価を見返したときに、どの基準で付けた点数かが分かります。

参考にした一次情報

本記事は上記の公的な情報をもとに、採用担当者向けにかみくだいて解説しています。制度の詳細や最新の内容は、必ず出典元をご確認ください。 執筆方針は編集方針をご覧ください。