構造化面接とは?やり方・質問例・評価基準のつくり方をやさしく解説

公開: 2026/08/24 / 更新: 2026/09/17 執筆: QRUU 編集部

構造化面接とは、「何を聞くか(質問)」と「何を良しとするか(評価基準)」を面接の前に決めておき、応募者全員に同じ質問をして、同じ基準で評価する面接の進め方です。面接官の力量や当日の流れで結果が変わりにくくなり、応募者どうしを比べやすくなります。専用のツールがなくても始められるので、面接の質を見直すときに最初に取り組みやすい方法です。

構造化面接とは何か

構造化面接では、質問の内容と聞く順番、評価の基準をあらかじめ決め、どの面接官が担当しても、どの応募者に対しても、そのとおりに面接を進めます。反対に、面接官がその場の流れで自由に質問し、印象も含めて総合的に判断する進め方は「非構造化面接」と呼ばれます。

面接は、目の前の応募者が入社後に活躍するかどうかを予測する場です。その予測の精度は、面接で集められる情報に左右されます。構造化面接では、この情報をすべての応募者から同じ観点で集めます。

大がかりな制度の話に聞こえるかもしれませんが、質問リストと評価基準を用意し、面接の記録を残せば、面接官が1人の会社でも取り組めます。

自由な面接で起きやすい3つの場面

「面接で人を見る自信がない」と、自分の力量不足に悩む面接官もいます。ただ、評価が定まらない原因は、面接のやり方にもあります。

  • 場面1:同じ求人なのに、Aさんには経験の深掘りばかり、Bさんには人柄の質問ばかり。聞いたことが違うのに、2人を比べて合否を出している
  • 場面2:一次面接では「コミュニケーション力が高い」、二次面接では「コミュニケーション力に不安がある」。どちらの見立てが確かか分からないまま、どちらかを信じて決めている
  • 場面3:気づけば残り10分。聞きたいことの半分も聞けていないのに、残りを印象で埋めて合否を出している

場面1と2では、集めた情報や見方が、応募者や面接ごとに違っています。場面3では、必要な情報が足りていません。これでは、応募者どうしを比べることも、評価の食い違いを確かめることも難しくなります。聞くことと評価の基準が決まっていなければ、面接官を交代するだけでは解決しません。

面接官の思い込みは、注意していても評価に影響する

評価が定まらないもうひとつの原因は、面接官の思い込みです。最初の印象が良いと、その後の回答まで良く聞こえます。自分と出身や趣味が似ている応募者を高く評価したり、直前の応募者と比べて評価が揺れたりすることもあります。こうした傾向は、経験を積んだ面接官にも起こります。

しかも、本人は客観的に評価できているつもりでいるため、「気をつける」「経験を積む」だけでは防げません。影響を減らすには、構造化面接の進め方が有効です。全員に同じ質問をし、決めておいた基準で評価して、判断の根拠を記録に残します。思い込みの種類と防ぎ方は、面接官が陥りやすい6つの認知バイアスでくわしく解説しています。

構造化面接のやり方:質問・深掘り・評価基準を先に決める

面接の前に、次の3つを用意します。

  • 必ず聞く質問:職種ごとに3〜5問ほど決め、どの応募者にも聞きます
  • 深掘りの順番:回答の先を確かめる追加の質問と、その順番。「そのとき、ご自身は何をしましたか」「その結果、何が変わりましたか」のように、行動と結果まで尋ねます
  • 評価基準:質問と対応させた「何を良しとするか」。段階ごとに目安となる行動を書いておきます

質問だけ決めて評価基準がなければ判定がばらつきやすく、基準があっても応募者ごとに質問が違えば、比べるための回答がそろいにくくなります。

評価基準のつくり方:観察できる行動で書く

「コミュニケーション力」「主体性」のような言葉を、そのまま評価項目にしてしまうことがあります。同じ「コミュニケーション力」でも、ある面接官は「話のうまさ」を、別の面接官は「結論から話せるか」を、また別の面接官は「場を和ませる力」を思い浮かべます。この言葉のまま面接を始めると、面接官によって測るものが変わります。

そこで、評価項目を観察できる行動に置き換えてから使います。たとえば営業職の「コミュニケーション力」なら、「相手に合わせて言い換えられる」「結論から答えられる」のように、面接の会話から確認できる形にします。どの行動を選ぶかは職種によって違うので、求人ごとに考えます。

こうして書いた評価項目には、段階ごとの目安を添えます。

段階別の評価基準の記入例(評価項目「わかりやすく説明する力」の場合)
段階目安の書き方の例
基準に届かない質問と違う話が続き、聞き直しても要点が出てこない
合格の目安結論から答え、理由をひとつ添えて説明できる
文句なし相手の理解度に合わせて言い換えながら、込み入った内容も説明できる

最初は「基準に届かない」「合格の目安」「文句なし」の3つから書き始めると負担が少なく、その間の段階は運用しながら書き足していけます。評価基準をつくる手順と職種別の記入例は、面接の評価基準の作り方にまとめています。

質問例:必ず聞く質問と深掘りの組み立て

「困難への向き合い方」を確かめたい場合の例です。

  • 必ず聞く質問:「これまでの仕事(学業)で、いちばん大変だった出来事をひとつ教えてください」
  • 深掘り1:「それはどのような状況で、何がいちばんの課題でしたか」
  • 深掘り2:「そのとき、ご自身は具体的に何をしましたか」
  • 深掘り3:「その結果、何が変わりましたか」

「どんな状況で・何が課題で・自分は何をして・何が変わったか」の順に聞く方法は、英語の頭文字からSTARと呼ばれます。覚えておくと、どの質問でもこの流れで深掘りを用意できます。

また、質問を作るときは、本人の適性・能力と関係のない事項を入れないようにします。本籍や家族の職業、思想・信条などは、面接で尋ねると就職差別につながるおそれがある事項として厚生労働省が具体的に示しています。質問リストを先に決めておくと、こうした質問を雑談の流れで聞いてしまうことも防ぎやすくなります。

いきなり全部を固定せず、段階を追って進める

構造化には度合いがあります。質問も評価も一度にすべて固定しようとすると、面接官から「面接くらい自由にやらせてほしい」という声が上がりやすくなります。

面接の構造化の度合い(4つの段階)
段階進め方
段階1質問も評価も面接官の自由に任せる(非構造化)
段階2基本は自由に進めつつ、評価基準と、必ず聞く質問をいくつか決めておく
段階3質問と評価基準を統一し、一部だけ自由な質問を認める
段階4質問も評価も完全に固定する

まずは段階2〜3を目指すとよいでしょう。「評価基準」と「必ず聞く質問を3つ」から始めると、面接官の負担を抑えながら、評価のばらつきを減らしていけます。

応募者が生成AIで面接対策をする時代の構造化面接

志望動機も自己PRも想定問答も、いまは生成AIに頼めば数分で整った文章になります。回答を準備してくること自体は、昔から変わらない応募者の誠実な努力です。ただ、受け答えが整っているかどうかだけでは、応募者どうしを比べにくくなりつつあります。

そこで、深掘りの質問が役に立ちます。準備した答えの先にある経験の中身を、「いつ・誰と・何をして・何が変わったか」まで具体的に尋ねます。構造化面接では質問と深掘りの順番を決めておくので、どの応募者にも同じ流れで進められます。質問や評価基準の変え方は、生成AI時代の面接設計で解説しています。

AI面接で構造化面接を行う

段階4の面接では、同じ質問を同じ順で聞き、決めた基準で採点して根拠を記録する作業を、面接のたびに正確に繰り返します。人の手だけで続けるのは大変です。

対話型のAI面接なら、この繰り返しを任せられます。質問リストを決めた順に聞き、回答に応じて深掘りして、あらかじめ書いた段階別の基準に照らして評価します。人の面接官と違って、疲れに左右されることもありません。AI面接の仕組み自体はAI面接とはでくわしく解説しています。

QRUUの場合、質問リスト(聞く順番も含めて固定)、1問ごとの深掘り回数の上限、評価項目ごとの段階別の採点基準を設定できます。評価レポートには、根拠となる発言の引用と、二次面接に向けた申し送りが残ります。ツールを比べる際は、質問と評価基準を自社で編集できるか、評価に根拠が残るかを確認してください。確認の観点はAI面接ツールの選び方にまとめています。

よくある質問

構造化面接にデメリットはありますか?
あります。質問を固定するぶん会話が形式的になりやすいこと、準備(質問と評価基準づくり)に時間がかかることです。前者は、決めておいた深掘りの質問で、回答の先を会話の中で確かめるようにすると和らぎます。後者は、職種をひとつに絞って質問3つ・評価基準3つから始めると、準備の負担を小さくできます。
半構造化面接とは何が違いますか?
違いは、質問と評価基準をどこまで固定するかです。半構造化面接に定まった定義はありませんが、この記事では、質問や評価をある程度まで決めておき、残りを面接官の裁量に任せる進め方(段階2〜3)を指します。完全に固定した面接(段階4)と、自由な面接(段階1)の中間です。
アルバイト・パート採用でも構造化面接は必要ですか?
面接官が店舗ごとに分かれるアルバイト採用では、特に取り入れる意味があります。「店長によって採用の基準が違う」という悩みがあるなら、質問3つと評価基準を1枚にまとめ、全店舗で共有するところから始めてください。店舗ごとの判断のばらつきを減らす助けになります。
AI面接ツールがなくても構造化面接はできますか?
できます。質問リストと評価基準を紙やスプレッドシートで用意すれば、すぐに始められます。ツールを使うと、決めた質問と基準で毎回面接を行い、根拠つきで記録を残すところまで任せられます。面接の本数が増えて人手で回りにくくなったら、ツールの導入を検討してください。

参考にした一次情報

本記事は上記の公的な情報をもとに、採用担当者向けにかみくだいて解説しています。制度の詳細や最新の内容は、必ず出典元をご確認ください。 執筆方針は編集方針をご覧ください。