一次面接を自動化する方法:どこまで任せられて、どこからは人がやるのか
公開: 2026/07/24 / 更新: 2026/09/17 執筆: QRUU 編集部
一次面接を効率化するときは、AIによる面接だけでなく、日程調整、リマインド、評価、記録といった面接の前後の作業も対象にします。このうち、人が判断しなくてよいものをツールに任せるのが一次面接の自動化で、その分が工数削減になります。合否は、これまでどおり担当者が決めます。
一次面接の工数は、面接の前後にもかかっている
一次面接1件にかかる時間を面接の分だけで見積もると、その前後の作業が抜け落ちます。たとえば、候補者との日程調整のメール、カレンダーの予定の入れ直し、前日のリマインド、当日の欠席への対応、終了後の評価メモの入力、次の面接の担当者への申し送りです。
効率化を検討するときは、まずこうした作業を洗い出します。面接より、日程調整や記録のほうが時間がかかっていることもあります。
一次面接にかかる時間の数え方
「なんとなく忙しい」を「月に何時間」に直しておくと、導入を決めるときにも、社内で説明するときにも使えます。次の項目ごとに、自分の1週間を振り返って時間を数えます。
- 日程調整:候補者へのメール作成・返信待ち・再調整の往復(1件あたり何往復か、1往復に何分か)
- カレンダー操作:面接枠の確保、面接官への連絡、変更時の予定の入れ直し
- リマインド:前日の連絡、無断欠席時の再調整
- 面接:実施時間 + 前後の切り替え時間
- 記録:評価メモの入力、社内システムへの転記
- 申し送り:二次面接の担当者への共有、質問への回答
これを「1件あたりの合計時間」にして、月の一次面接件数を掛けると、月の工数が出ます。出した時間を金額に換算する手順はAI面接の費用で紹介しています。稟議では、換算した金額からツールの月額と、導入後も残る作業の分を引いて、差を見ます。
数える際は、実施できた面接に加えて、調整したのに流れた分も入れます。無断欠席や日程変更への対応は、面接の件数には表れませんが、時間はかかっています。ここが抜けると、効率化の効果を小さく見積もってしまいます。
自動化できる範囲を、5つの工程に分けて考える
| 工程 | ツールに任せられること | 人に残ること |
|---|---|---|
| 日程調整 | 候補者が都合の良い時間に自分で受けられるようにして、調整の往復をなくす | 特別な事情がある候補者との個別調整 |
| リマインド | 面接の案内と、まだ受けていない候補者への再通知を送り、催促の手間を減らす | 連絡がつかない候補者への個別のフォロー |
| 面接の実施 | AI面接官が質問する(回答に応じてその場で深掘りするツールもある) | 志望度を上げる対話、自社の魅力を伝えること |
| 評価 | 回答内容から、あらかじめ決めた評価軸で評価を作る(根拠となる発言を引用つきで残すツールもある) | 評価軸の設計と、通過の判断 |
| 記録と申し送り | 評価・録画・文字起こしを候補者情報に紐づけ、二次面接の担当者がそのまま読める形にする | 経歴が特殊な候補者についての補足 |
表の工程を別々のツールで自動化しても、ツールのあいだで結果が自動で渡らなければ、その受け渡しは人の作業として残ります。たとえば、面接と評価が別のツールに分かれていて、結果を人が転記している場合です。そのぶん、減らせる時間は小さくなります。
24時間いつでも受けられると、応募者を待たせない
在職中の候補者は、仕事が忙しいと、面接の時間を確保しにくくなります。日程調整に数日かかるあいだに、応募したときの意欲が薄れ、先に選考が進んだ他社に決まってしまうこともあります。
応募したその場で一次面接まで進める状態にしておくと、この離脱を減らせます。
自動化しないほうがよいもの(人に残る判断)
- 合否の最終判断:AIの評価は一次選考の判断材料として扱い、決めるのは担当者
- 自社の魅力を伝えること:候補者の志望度を上げる対話は人の役割
- 評価軸の設計:何を良しとするかは自社の採用要件によるため、支援を受けながら進める場合も、最後は自社で決める
- 例外対応:経歴が特殊な候補者や、リファラルなど文脈のある応募
なお、替え玉やディープフェイクへの対策は、ツールによって違います(QRUUは本人確認を行っていません)。本人確認が必要な選考では、二次面接以降で人が確かめる前提で設計します。
段階的な進め方(いきなり全部を置き換えない)
- 第1段階:応募が多く、質問が定型化しやすい職種を1つ選んでAI面接を試す
- 第2段階:評価レポートを二次面接の担当者に読んでもらい、選考に使えるかを確かめる
- 第3段階:質問と評価軸を自社向けに調整し、他の職種へ広げる
- 第4段階:応募の取り込みから面接案内までを自動でつなぎ、担当者は例外対応だけに関わる
第2段階を飛ばして全職種に広げると、二次面接の担当者が評価を読み解けず、録画を見返すことになりがちです。
自動化しても残る作業
導入の効果を計算するときは、次の作業にかかる時間も差し引いておきます。
- 評価レポートを読んで、通過させるかを決める時間(件数が多いほど長くなる)
- 例外対応(通信トラブルで受けられなかった候補者の再案内、経歴が特殊な応募)
- 質問と評価軸の手直し(運用しながら、定期的に中身を点検する)
- 候補者からの問い合わせ対応
評価レポートを読む件数は、AI面接で応募者全員を一次選考にかけられるようになると増えます。一方で、1件あたりの作業は30分の面接からレポートの確認に変わります。導入の前と後は、合計の時間で比べます。
なお、2026年10月1日から、就活セクハラ(求職者等に対するセクシュアルハラスメント)の防止措置が事業主の義務になります。求められるのは、方針を決めて社内に周知する、相談窓口を設ける、起きたときに対応するといった取り組みで、面接を自動化しても自社で行う必要があります。制度の内容と、被害がどこで起きているのかは2026年10月から義務化される就活セクハラ防止措置にまとめています。
よくある失敗(進め方)
- 失敗1:いきなり全職種に広げる。職種ごとに聞くことが違うため、質問の準備が間に合わず、評価が粗くなることがあります
- 失敗2:面接だけ自動にして止める。記録を手で入力していれば、その分の時間は減りません
- 失敗3:効率化の効果を面接時間だけで測る。日程調整や記録で減った時間が数に入らず、社内に示しにくくなります
- 失敗4:候補者への案内を省く。「なぜAI面接なのか」「二次以降は人が対応するのか」が書かれていないと、候補者の不安が残り、辞退の理由になることもあります
- 失敗5:始めたあと見直さない。聞くことが採用要件とずれてきても気づけません。数か月に一度、質問の中身を確かめる日を決めておきます
よくある質問
- 日程調整だけを効率化することもできますか?
- できます。日程調整だけでも、候補者とのやり取りが減るぶん、負担は軽くなります。ただし、面接、評価、記録が手作業のままだと、工数削減の幅は小さくなります。日程調整から始めて、ほかの工程へ順に広げていく方法もあります。
- 一次面接を自動化すると、候補者に嫌がられませんか?
- 受け止め方は候補者によって分かれます。都合の良い時間に自宅から受けられて、移動も交通費も要らないことは、候補者にとっての利点です。対人面接より緊張しにくいと感じる人もいれば、AIが相手であることに不安を感じる人もいます。案内文に「一次選考はAI面接で、二次以降は当社の社員が対応します」と書いておくと、その不安を和らげられることがあります。
- 評価をAIに任せて大丈夫でしょうか?
- AIの評価は一次選考の判断材料として使い、合否は担当者が決めます。根拠となる発言が引用つきで残り、録画で見返せるツールなら、担当者が評価の理由を確かめられます。
- 応募が少ない場合でも効果はありますか?
- あります。件数が少なくても、日程調整の往復は1件ごとに発生するため、その手間は減らせます。ただし、1人ずつ時間をかけて話したい採用では、AI面接を取り入れる効果は小さくなります。